【相続対策】遺言書による対策1

遺言書の作成

遺言書を作成することは、死後の遺産分割方法を指定することができ、相続で揉めないための一番の対策の一つです。 相続が開始すると、相続人が法定相続分に従って遺産分割協議をすることになります(民法907条1項)が、生前被相続人が遺言ができる事項について方式に従い遺言書を作成しておくと、遺言書の効力が優先します。

遺言の効果

遺言は、被相続人が相続人に残す最後のメッセージです。内容は、何よりも優先されるべきですが、遺言により法的に効力を有する遺言事項は限られています。 遺言事項は ①身分上の事項に関する事項 ②相続に関する事項 ③相続財産の処分に関する事項 ④遺言執行に関する事項 ④その他の遺言事項 に分類されます。 具体的には ①に分類されるものとして子の認知があります。 ②相続人の排除、相続分の指定、遺産分割方法の指定 ③遺贈 ④遺言執行者の指定というように 分類されています。 上記の法定事項以外にも「付記事項」として、遺言の最後に被相続人の思いを書き加えることもできます。例えば「家族みんな仲良く暮らして欲しい」などといったご自身の思いを綴り、思いやりのある遺言書をつくることができます。 なお、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した時は遺言の効力は生じないとされています(民法994条)ので、その者への遺言部分は失効してしまい、遺産分割の対象になるとされています。

遺言能力とは

有効な遺言をするには、遺言者が、遺言をする際に、遺言能力を有しなければなりません。(民法963条)15歳に達した者は遺言をすることができ(民法961条)、遺言に関しては、制限行為能力の制限は適用されないとされていることから、遺言能力は、意思能力と同様のもので、遺言の内容を理解し、遺言効果を弁識できる能力とされています。

定められた手続きに則って作成する

遺言は、民法968条以下に定める方式に従わなければ、無効となります。方式としては、普通方式と特別方式があります。普通方式は自筆証書遺言(民法968条)、公正証書遺言(民法969条)、秘密証書遺言(民法970条)があります。 特別方式は危急時遺言(民法976条1項3項)、隔絶地遺言(民法977条978条)があります。また、共同遺言は禁止されています(民法975条)。 特別方式は、伝染病を患い病院で隔離されている場合や船舶内などの一般社会から隔絶されている場合などのやむを得ない状況で行う事が認められている特別な遺言の方式であるため、本コラムでは触れません。 普通方式の3種類は作成方法と保存方法が異なり、それぞれメリット・デメリットがありますので、それぞれの違いを、次回以降確認していきます。 (参考文献)
・大西隆司ほか相続対策実務研究会編集『法務・税務から見た相続対策の効果とリスク 』93頁以下(新日本法規、2015年)

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